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2023年4月21日 / 性能
太陽光発電で電気代はどのくらい減らせる?電気代ゼロを目指すコツも解説
電気代の値上がりが続き、私たちの家計を大きく圧迫しています。
そんななか、電気代の削減を目的として、太陽光発電の導入を検討する人が増加傾向にあります。
では、実際のところ太陽光発電を導入すると電気代をどの程度節約できるのでしょうか。
この記事では、太陽光発電による電気代の節約効果や、電気代を限りなくゼロに近づける方法について解説します。
目次
1. 太陽光発電が電気代の節約につながる理由
まずは、太陽光発電による電気代の節約効果について解説します。
発電した電気は無料で使える
通常、家庭で電気を使用する場合は、電力会社と契約して使用量に応じた料金を支払わなければなりません。
一方、自宅に太陽光発電を設置すれば、発電した電気は無料で使用することができます。
これにより電力会社から買い取る電気の量を減らせるため、太陽光発電=電気代の節約につながるというわけです。
電気代の単価を安くできる
電力会社のプランは、電気の使用量に応じて単価が決定する「従量電灯」がほとんどです。
電力会社の電気を使用する量が減れば、それだけ電気の単価を下げることができ、さらなる電気代の節約につながります。
再エネ賦課金の負担を軽減できる
再エネ賦課金とは、再生可能エネルギーの買取に必要な費用を、電気を使用する人全員でまかなうために割り当てられたお金です。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーを普及させるための税金のようなもの、と考えるとわかりやすいでしょう。
再エネ賦課金の金額は電力会社から購入した電気の量によって決まるため、太陽光発電を設置すれば、その分再エネ賦課金の負担を減らすことが可能です。
2. 太陽光発電で電気代はどのくらい減らせるのか
ここからは実際に、太陽光発電によって電気代をどの程度減らせるのか考えていきます。
太陽光発電の年間平均発電量
まずは、太陽光発電の発電量について考えていきます。
太陽光発電の発電量は設備の容量によっても左右され、家庭では5kWの太陽光発電を設置するケースが一般的です。
そして、5kWの太陽光発電では、年間6,000kWh程度の発電量が見込めるとされています。
自家消費は約3割が目安
太陽光発電で発電した電気のうち、自家消費、つまり自宅で使う分は全体の約3割とされています。残りの7割は、電力会社に売るケースが一般的です。
よって、年間発電量が6,000kWhの場合、自家消費する電力は年間1,800kWh程度になります。
電気料金の目安単価は31円/kWh
全国家庭電気製品公正取引協議会の公示によると、電気料金の目安単価は31円/kWhです。
つまり、先ほどの計算結果を当てはめると、5kWの太陽光発電を設置した場合に節約できる電気代は年間約55,800円相当ということになります。
総務省の「家計調査報告」によると、2人以上世帯の年間の電気代の平均額は152,138円です。
すなわち、このケースでは年間の電気代を約3割削減できる計算になります。
3. 【ケース別】太陽光発電の節約効果をシミュレーション
ここまで紹介した内容は、あくまで平均値を取った場合です。実際の節約効果は世帯人数や地域によっても異なるため、より具体的な例をもとに節約効果をシミュレーションします。
札幌市在住で夫婦2人暮らしの場合
北海道は日射量が少ないといわれていますが、データ上は関東圏と比べてそれほど大きな差はありません。
また、家庭用太陽光発電は5kW容量が一般的ですが、2人暮しの場合は4kW容量でも問題ないでしょう。
札幌市の年間予想発電量は、4kW容量の場合4,600kWhです。
自家消費3割として考えると、年間約42,780円の電気代を節約できる計算になります。
東京都在住で夫婦と子ども1人の場合
5kW容量の太陽光発電を設置した場合、東京都の年間予想発電量は5,670kWhです。
自家消費3割として考えると、年間約52,731円の電気代を節約できます。
鹿児島県在住で夫婦と子ども2人の場合
鹿児島県は日射量が多いため、多くの発電量を見込めます。
5kW容量の太陽光発電を設置した場合、鹿児島県の年間予想発電量は6,535kWhです。
自家消費3割として考えると、年間約60,775円の電気代を節約できるといえます。
4. 太陽光発電で電気代をゼロにすることは可能?
太陽光発電を設置しても、電気代をゼロにすることは難しいと考えられます。
まず、太陽光発電で生み出した電気は、基本的に貯めておくことができません。
電気を貯めるためには別途、「蓄電池」という設備が必要です。
蓄電池がない場合、夜間のように発電ができない時間帯は、どうしても電力会社からの電気に頼ることになります。
また、太陽光発電の発電量は天候によっても左右されるため、常に安定的な電力を確保できるとは断言できません。
このように、太陽光発電で電気代をゼロにすることは簡単ではありませんが、工夫次第で実質ゼロに近づけることはできます。
5. 太陽光発電で電気代ゼロを目指す方法
前述のとおり、太陽光発電で生み出した電気のうち、自宅で消費される分は全体の約3割とされています。
電気代ゼロを目指すためには、残りの約7割をいかに効率的に使うかという点が重要な鍵になるのです。
蓄電池を設置する
太陽光発電設備とともに蓄電池を設置すれば、日中発電した電気を貯めておくことができます。
夜間や天気が悪い日でも太陽光発電の電気を利用できるため、電力会社の電気を利用する頻度を大幅に下げられるでしょう。
省エネ機器を導入する
省エネ機器を導入するなど、光熱費全体のコストを減らす工夫も大切です。
エアコンをはじめ、洗濯機や冷蔵庫など、消費電力が高い家電から省エネタイプに買い替えるとよいでしょう。
また、ガス給湯器と比べてエネルギー消費量が少なく、電気の力でお湯を沸かす「エコキュート」の導入もおすすめです。
オール電化に切り替える
オール電化とは、家庭で使用するエネルギーをすべて電気でまかなうことです。
ガスコンロをIHクッキングヒーターへ、ガス給湯器をエコキュートへ、というように、従来ではガスを使用していた設備をすべて電気エネルギーで対応するようにします。
家庭で使用するエネルギーを電気に集約することで、発電した電気を無駄なく使える点がメリットです。
電気自動車を選ぶ
これから車を購入する予定の人には、電気自動車がおすすめです。
電気自動車のバッテリーは太陽光発電の蓄電池として利用でき、日中発電した電気を無駄なく使用できます。
設備があれば自宅で発電した電気でガソリン代をまかなえるので、実質的な家計負担を減らすことにもつながります。
余った電気を売る
太陽光発電で余った電気は、電力会社が買い取ってくれます。
余剰電力を売ることで、実質的な家計負担を軽減できるといえます。消費電力を減らす工夫と合わせれば、売電収入をさらに増やすことも可能です。
6. 太陽光発電の売電収入について
ここからは、太陽光発電の電気を売ったときに得られる売電収入について、さらに詳しく解説します。
FIT制度とFIP制度
太陽光発電の普及を推進するため、日本では2012年に「FIT制度」が導入されました。
FIT制度とは、電力会社による電気の買取額を常に一定とする制度です。
また、2022年には、買取価格が市場に連動して変わる「FIP制度」が導入されました。
太陽光発電でより効率的に売電収入を得るためには、2つの制度の違いをしっかり理解し、今後の動向に注目することが大切です。
売電収入の年間平均額
5kWの太陽光発電では、年間6,000kWh程度の発電量が見込めます。
太陽光発電の自家消費は約3割なので、残りの約7割をすべて売却したとすると4,200kWhです。
2022年時点でのFIT売電価格は17円なので、年間71,400円の収益を得られるでしょう。
太陽光発電のみですべての電力をまかなうのは容易ではありませんが、自家消費と売電収入を組み合わせれば、年間の家計負担を限りなくゼロに近づけることが可能です。
7. 山口県の太陽光発電普及率
2019年の「住宅・土地統計調査」では、山口県の太陽光発電の普及率は6.1%で全国12位の高さです。
また、山口県では県独自の制度として、「山口県ゼロ・エネルギー・ハウス啓発・導入支援補助金」という補助金を設けています。
これは、太陽光発電による創エネ設備を含め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指す「ZEH住宅」の普及を促すための施策です。
一定の条件を満たすことで20万円の補助金を受け取ることができるので、山口県で省エネ住宅に興味のある人はぜひチェックしましょう。
8. まとめ
自宅に太陽光発電を導入すれば、電気代を大幅に抑えることが可能です。
さらに、蓄電池をはじめとする各種設備や売電収入を利用すれば、電気代を実質ゼロに近づけることも夢ではありません。
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会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
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